インドネシア共和国(通称:インドネシア)は東西に非常に長く、赤道にまたがった大小1万4000以上の島から成り立つ、世界でも最多を有する島嶼国です。
島や地域によって固有の民族が暮らし、固有の言語と宗教や風習が存在するので、様々な民族との交流や自然と文化を楽しむことができます。
南国独特の街並みと、青い海に囲まれるバリ島やジャワ島といったビーチリゾートは、気軽に行ける海外旅行スポットとして日本でも人気です。
そこで今回は、安心安全にインドネシアを観光するために、最低限知っておきたい治安の最新情報と旅行中の注意点を紹介します。
気軽に訪れることのできる国でも、日本の常識とは異なる危険に遭遇する可能性もあります。
治安の最新情報を確認して、安全対策を怠らないようにしましょう!
【2019最新】インドネシアの治安情報
インドネシアの首都はジャワ島に位置するジャカルタで、また、平均年齢が29歳という若い世代の多い新興経済大国です。
1998年にアジア通貨危機を経験して革命運動が盛んになり、2004年には大統領直接選挙制度が導入され民主化が進んでいます。
革命運動のデモは最近も行われていて、2019年10月28日にはマカッサル市内の大学と州議会事務所付近でのデモが予定され、身の安全に注意する勧告が出されたばかりです。
それでも、経済成長と共に治安は改善されてきて、2019年に発表された世界平和指数ランキングでインドネシアは41位と高いレベルにランクインしました。(出典:https://reliefweb.int/sites/reliefweb.int/files/resources/GPI-2019-web003.pdf)
しかし、同ランキングで9位にランクインする平和指数の高い日本と比較すると、旅行中は最大級の注意が必要だといえるでしょう。
首都ジャカルタ・バリ島も注意が必要!
首都ジャカルタは、過去の景気悪化の際に大きな暴動が起きた地域です。
当時はフィリピンと並ぶ治安の悪さでしたが、経済成長と共にある程度治安が安定してきました。
しかし、繁華街や一部の地域では現在も治安が悪く、スリや置き引き、詐欺、ドラッグの密売など軽犯罪に注意が必要です。
また、人気観光地のバリ島もハワイやプーケットなど他国のビーチリゾートと比較すると、スリや置き引きが多く発生するので油断することは禁物です。
危険レベル2「不要不急の渡航禁止」地域がある
外務省が発表する最新の治安情報では、2019年11月現在の感染症危険情報は出されていません。
しかし、パプア州(プンチャック・ジャヤ県、ミミカ県のみ)及び中部スラウェシ州ポソ県には「レベル2 不要不急の渡航中止」が継続して出されています。
これらの地域では、警察官の銃撃事件や自爆テロなど、宗教がらみのテロ事件が発生しているので近寄らないほうが無難でしょう。
また、先ほど説明した首都ジャカルタやバリ島を含む上記以外の地域には、「レベル1 十分注意」の危険情報が継続して出されているので十分警戒しましょう。
インドネシア観光で注意すべき7つのトラブル
次に、インドネシア観光で注意してほしい具体的なトラブルを7つ紹介します。
①スリ・置き引き・ひったくり
特に繁華街で多発しているのがスリや置き引き、ひったくりといった軽犯罪です。
レストランやホテルなど、テーブルや座席に荷物を置く癖のある日本人は狙われやすいので注意しましょう。
また、歩行中に後ろから来たバイクに荷物を奪われるひったくりが多発しているので注意しましょう。
②強盗
繁華街で声をかけてきて一緒に食事をすると、飲み物に睡眠薬が混入されていて、目覚めたときには貴重品をすべて奪われてしまうといった被害があります。
また、三輪自動車に乗車しているときに外から荷物を奪われることもあるそうです。
ひっそりと奪われるというよりも、勢いで堂々と奪っていく強盗が多いので、必要のない貴重品はホテルの金庫に預けて持ち歩かないようにしましょう。
タクシー強盗
偽タクシーに乗り込んでしまい、目的地とは違う場所まで連れていかれて、持ち物を奪われ置き去りにされるといった被害が報告されています。
車内という密室では恐怖から抵抗もできず、相手に誘導されるまま持ち物を渡す羽目なってしまうようです。
③いかさま賭博
いかさま賭博はグループ犯罪の一種です。
数人で繁華街やレストランなどで声をかけて仲良くなってから、自宅に誘導して待っている仲間とギャンブルをするように誘導します。
その手口は単純で、はじめのうちはわざと勝たせて大勝負を切り出させ、最後には持ち金すべてを奪うという仕組みです。
日本語を話せる外国人に出会っても、初対面で自宅に向かうような行動は避けておきましょう。
④物売り
繁華街やリゾート地で多いのが強引に物を売りつけられるといった被害です。
アクセサリーや小物の販売だけでなく、マッサージなどのサービスを強要する物売りも多く、そのほとんどが相場以上の金額を要求してきます。
予め商品やサービスの物価を事前に調べて、違和感のある金額を要求されたらはっきりと断る勇気を持ってください。
⑤ドラッグ
夜の繁華街やクラブでは、危険ドラックの販売が行われている場所も多いです。
日本と同じくバリ島でも薬物の使用は違法です。
海外だからとハメを外さずに、声をかけられても受け答えしないで、その場から立ち去るようにしてください。
⑥両替トラブル
バリ島付近の両替商でも、お金を少なく渡される両替トラブルが発生します。
その場を立ち去ると、なかったことにされてしまいクレームも受け付けてもらえません。
両替はモールなどの安全な場所を選び、お金を受け取ったらその場で正しく両替されているか確認するようにしてください。
⑦パスポート不携帯の罰金
ジャカルタ特有ですが、パスポート不携帯に高額な罰金を課せられる可能性があります。
基本、インドネシアに滞在する外国人はパスポートを携帯する義務があり、持っていないと罰金を支払う必要があります。
しかし、ジャカルタにはそこを狙って、小遣い稼ぎの目的で法外な金額を要求する質の悪い警察も存在します。
コピーはNGなので、パスポートの原本を携帯するように注意しましょう。
インドネシア観光を安全に楽しむための対策7つ
続いて、インドネシアで安全に観光を楽しむ7つの対策を紹介します。
①人ごみは特に気を抜かない・日本人にも気を許さない
人混みに紛れて白昼堂々と犯罪が発生します。
繁華街では観光客を狙った犯罪に巻き込まれる危険性が高いので、日本語を話せる外国人や日本人にも気を許さないようにしましょう。
②露出のある格好は避ける
インドネシアに暮らす人口の約8割がイスラム教徒で、女性の肌の露出は良しとされていません。
宗教的にも、犯罪に巻き込まれることを避けるためにも、肌の露出を避けて体のラインを隠すような服装を選ぶようにしましょう。
③荷物を身体から離さない
たすき掛けにできるショルダーバッグを使って、体から離さないようするといいでしょう。
窃盗犯に狙われる可能性が高いので、貴重品の持ち歩きは避けてホテルの金庫で管理するようにしたほうが安全です。
④タクシーは信用できる大手会社で
タクシーはインドネシアで最も有名な大手タクシー会社「ブルーバードタクシー」がおすすめです。
タクシー強盗やぼったくり詐欺が多発するインドネシアでも、安心して乗車できます。
⑤海外旅行保険に加入する
滞在中にトラブルに遭い、設備の整った私立病院で治療を受けたときの高額な費用にも対応できます。
そして、オプションで携行品損害をつけることで、軽犯罪に巻き込まれるリスクに備えることができます。
⑥ネット環境の確保
主要施設では無料のWi-Fiが飛んでいますが、移動中の街中ではインターネットに接続できません。
ポケットWi-Fiを準備しておけば、地図の検索や観光地を調べる際にも便利に活用できます。
⑦主要連絡先のメモ
突然のトラブルに巻き込まれた際に、主要連絡先が分からなければ誰にも知らせることができません。
スマホに記録していても壊れたり盗まれたりする可能性があるので、日本大使館やホテルといった主要連絡先はメモにして携帯しておきましょう。
まとめ
今回紹介した、インドネシアの観光で注意するべきトラブルと、安全に楽しむための対策をよく確認して万全の準備をしましょう。
インドネシアの基本マナーとして、イスラム教徒の多いインドネシアでは、宗教上の理由で左手が「不浄の手」として扱われています。
旅行中は、サインを書くとき・お金を払うとき・商品を受け取るとき・人に触れるときなど、他人とかかわるときは必ず右手を使うとよいです。
万全の準備と基本マナーを覚えて、楽しい旅行を実現してください!