ミャンマーの世界遺産|古代遺跡や仏教遺跡群をご紹介

ミャンマーは東南アジアのインドネシア半島西部にある国で、インド・中国・タイといった国々に囲まれており、紀元前から栄えた王国の古代遺跡や仏教遺跡群が数多く存在します。

 

今回は、ミャンマーの世界遺産にスポットを当てて、見逃せない寺院や神秘的な観光スポットを紹介します。

 

世界遺産はピュー古代都市群とバガン!

ミャンマーの世界遺産条約の承認は1994年になってからで、その後2000年に入ってから2つの遺産が登録されました。

2014年に登録されたピュー王朝跡「ピュー古代都市群」と、2019年に登録されたミャンマー中心部のバガン王朝仏教遺跡群「バガン」です。

 

【2014年登録】ピュー古代都市群|3つの遺跡群の世界遺産登録

ピュー族が暮らしたピュー王国は、紀元前2世紀~9世紀頃まで1000年に渡って栄えたそうです。

ピュー王朝時代は「タイエーキッタヤー」と呼ばれ、レンガ造りの城壁や仏塔(パゴダ)、寺院など仏教遺跡が数多く残されています。

 

世界遺産に登録された古代都市群は「シュリー・クシェートラ」「ハリン」「ベイッタノー」の3つのエリアです。

それぞれのエリアには博物館も併設されているので、9:00~16:00を目安に見学に向かうとよいでしょう。

 

次に、各エリアへのアクセス方法と見所を詳しく紹介します。

 

シュリー・クシェートラ

ヤンゴンから北西に約300km離れたピィという都市の郊外に位置して、ヤンゴンから車で約5時間、鉄道を使うと約8時間半程度かかります。

レンガ造りの楕円形をした城壁内の中心には王宮跡があって、ピュー古代都市跡の考古学研究所拠点や博物館などの施設もあります。

 

5~7世紀に建設された3つのエリアの中でも最大規模の遺跡群で、寺院や仏塔などの仏教建築物が数多く残っています。

 

ベーベー寺院

城壁内にある大半の寺院が風化している中、レンガ造りの独特な建造物の形状を残している寺院です。

石やテラタイトを使用せずレンガのみを積み重ねた建物は、歪みすらも味があって美しいです。

 

ボーボージー・パゴダ

南の城壁の外側にある、このエリア内で最も古い仏塔跡です。

レンガ造りで巨大な釣り鐘のような形状の仏塔は、高さ46mと迫力満点。

 

レンガの隙間には苔が付き、長い時間を経て今もたたずんでいる、神秘的な雰囲気があります。

 

ハリン

最もヤンゴンから遠いハリンは、飛行機でマンダレー空港に向かってから車で約2時間程度の距離です。

ミャンマー北部のマンダレーから北に約80km離れていて、マンダレーから車で移動するなら約3時間程度です。

 

ピュー古代都市遺跡の中で最も北に位置して、異民族からの攻撃を受けて都市が滅んだ上に、エーヤワディー川の氾濫によって土に埋もれたそうです。

土の中からは仏塔・城壁・祭壇跡だけでなく、人骨がそのまま保存された墳墓跡も発見されました。

 

併設される博物館では装飾品や石碑などの多くの出土品が展示され、ピュー族の墓地遺構も見学することができます。

 

ベイッタノー

ピィとバガンという都市の中間に位置するベイッタノーは、ミャンマーの首都ネピドーから北西に約70km、ヤンゴンから車で約5時間程度かかります。

近くにネピドー空港があるので、飛行機でのアクセスも可能ですが移動時間に差はありません。

 

シュリー・クシェートラが栄える前に拠点となっていた、ピュー古代都市で最古の遺跡です。

初代仏教建造物の遺構を見学できるスポットで、宮殿のように立派な博物館ではピュー族の文字や実物のコインが展示されています。

 

【2019年登録】バガン|世界三大仏教遺跡

世界三大仏教遺跡の中でも圧倒的な景観で人気が高まっているのがバガン遺跡です。

ミャンマー中央部の少し南に位置する古都・バガンには、ミャンマー全土から人々が参拝にに訪れる聖地で、大小4000近くの寺院や仏塔が建ち並ぶ風景を見渡せます。

 

バガンには城壁に囲まれる考古学保護区「オールドバガン」と、城壁の外に仏塔が点在するエリアに分かれます。

バガン観光には、ヤンゴンからバガンの東のニャウンウー空港まで飛行機移動して、空港から車で約5km・乗車時間10分で到着します。

 

休館日はありませんが、寺院によって拝観時間が異なるので事前に調べてから向かってください。

大河流域に広がる大平原にあるバガンは、約1000年前に各地の有力都市を制圧して、ミャンマーで最初に開かれたバガン王朝の拠点として栄えた城壁都市です。

 

1287年にモンゴル勢力から侵略され崩壊するまで、東南アジアの交易拠点として栄え、最盛期の11世紀後半から13世紀初頭には多くの寺院や仏塔が建設されました。

 

世界遺産登録が難航した経緯は?

1997年に初めてユネスコの世界遺産にバガン遺跡を推薦しましたが失敗しています。

ミャンマーの軍事政権が近代的な資材を使って遺跡を修復してしまい、極力現地の残された原材料で復元するという世界遺産の規定に大きく反してしまったからです。

 

また、軍事政権によって遺跡となる都市に、ゴルフコースや高さ61mの展望台といった観光地が建設されてしまったことも原因に挙げられています。

後に、政権は民主化されて、日本を含む海外からの整備支援を受け入れるようになり状況は改善します。

 

ミャンマー地震による仏塔の被害にも適切な修復が施されたことから、2019年5月に「バガン」の名で世界遺産に正式登録されました。

 

熱気球を楽しむ!「バガン遊覧飛行」

朝焼けに染まるバガン遺跡を一望にできる熱気球での空の旅では、壮大な自然と遺跡が織りなす景色に感動します!

毎年10月~3月までの期間限定でツアーが開催されるので、時期を選んで旅行の計画を立てましょう。

 

シュエズィーゴン・パゴダ

バガンで代表的な高さ40mの巨大もある黄金の仏塔は、ニャウンウー村から徒歩で気軽に迎えるスポットです。

輝きは本物の金箔を張り付けて維持され、観光客も金箔を購入して張ることができます。

 

アーナンダ寺院

1090年にバガン王朝3代目のチャンスィッター王が建てたといわれる、バガン遺跡の中で最も美しい高さ50mの巨大な寺院です。

内部にはブッダの生涯や地獄の恐怖を現した絵や、高さ9.5mの4体の黄金の仏像などが収められています。

 

ティーロミンロー寺院

「傘」という意味の寺院は、王位継承方法が傘の倒れたほうであったという仮説に由来すると考えられています。

バガン遺跡の代表的な造りの3層構造を持ったレンガ建築で、寺院内には複雑に彫られたインド神話の登場人物が描かれています。

 

タビィニュ寺院

高さ65mのバガンの中でも目立つ寺院で、外観は落ち着いた雰囲気ですが内部には黄金に輝く仏像がきらめいています。

 

ダマヤンジー寺院

建設中に5代目のナラトゥ王が暗殺され工事が中止となり、未完成のまま残る寺院です。

王の死ににまつわる様々な伝説が残り、権力争いの因縁が残る心霊スポットだと噂されています。

 

シュエサンドー・パヤー

バガンの最盛初期に建てられ、ブッダの遺髪が納められている仏塔です。

夕日を眺める絶景スポットとしても人気なので、バガンに滞在する際は夕方に訪れることをおすすめします。

 

マヌーハ寺院

タトォン国のマヌーハ王が捕虜となって幽閉され、この寺院を建てたそうです。

巨大な寝大仏が寺院の中いっぱいに寝そべっています。

 

世界遺産暫定リストにはインレー湖やシュエダゴン・パゴダなども!

ミャンマーの世界遺産暫定リストの中でも、歴史や仏教建築を堪能できるおすすめスポットを紹介します。

・インレー湖
4つの小池が鬼によって繋げられたといる伝説の残る、シャン丘陵の淡水湖です。

 

・シュエダゴン・パゴダ
黄金に輝く聖なる塔に多くの宝石が装飾された、美しさく魅力的な巨大寺院です。

 

・古都バゴー
ヤンゴンから車で約2時間で行けるバゴーでは、密林で偶然発見されたシュエターリャウン寝仏や、僧侶の食事を見学できるチャカッワイン僧院などディープなミャンマーを楽しめます。

 

まとめ

多民族国家であるため信仰形態も様々で、寺院などの建築物からは仏教とヒンドゥー教の不思議な融合も感じられます。

世界遺産が生まれた歴史背景を調べながら、ミャンマー旅行をディープに楽しんでくださいね。

 

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