ミャンマーのマンダレー地方に位置するバガンには、カンボジアのアンコールワット、インドネシアのボロブドゥールとともに世界三大仏教遺跡の一つに数えられる「バガン遺跡」があります。
数千もの仏塔や多くの寺院が立ち並ぶ景色は圧巻です。
そんなバガンの観光地をご紹介します。
パガン朝時代の首都・バガンが2019年7月に世界遺産登録!
バガンは11世紀にビルマ王朝によって最初の王朝が開かれた場所です。
1287年にモンゴル人によって滅ぼされてしまいますが、仏教研究の場として発展を続けてきました。
そんなバガンですが、世界遺産への登録は課題が山積みでした。
1995年に世界遺産への登録申請が行われましたが、完全な保全が不十分、不適切な商業開発があるという指摘を受け、翌年登録が棄却されてしまいます。
その後日本を含む海外支援を積極的に受け入れ改善されつつありましたが、2016年ミャンマー地震によりバガンも損害を受けてしまいます。
現在も復興は続いていますが適切な処置により2017年に推薦、2019年7月に世界遺産に登録されました。
バガンのおすすめ観光地
バガンは広いので2日以上かけて観光することがおすすめです。
また、移動手段としてはEバイクやチャーター車がおすすめです。
バガンへのアクセスですが、首都ヤンゴンから行く場合は飛行機がおすすめです。
1時間半ほどで到着し、料金は1万円〜1万5千円ほどです。
ちなみにバスは10時間、電車では17時間の長丁場になります。
マンダレーからはミニバスがおすすめで、500〜600円ほどで約5〜6時間で到着します。
バガンの観光地についてご紹介します。
シュエズィーゴン・パゴダ
バガンで絶対に外せないのが、バガンの玄関口・ニャウンウーにあるシュエズィーゴン・パゴダです。
パガン王朝を代表する宗教建築物として有名です。
「シュエ」は「金」、「ズィーゴン」は「勝利、栄光の土地」という意味があります。
1059年に起工され、1090年に完成しました。
この建物の中には仏陀の歯と骨が奉納されているといわれており、厚い信仰の地となっています。
2016年のミャンマー地震で大きな被害を受けましたが、現在は修復され、見事な黄金の輝きを見ることができます。
営業時間は4〜22時です。
アーナンダ寺院
ニャウンウーからさらに西に向かったオールド・バガンにあるアーナンダ寺院は、バガン遺跡の中でも最も有名な寺院です。
シンメトリーで最もバランスが取れた外観をしています。
その美しさから「ビルマのウェストミンスター寺院」とも呼ばれているようです。
1105年に王朝に最盛期をもたらした第3代チャンシッター王により建立されました。
アーナンダという名前は仏陀の一番弟子の名前に由来しています。
寺院内、東西南北にそれぞれ置かれた高さ9.5mの仏像は圧巻です。
営業時間は7:00〜21:00です。
夜はライトアップされ、昼間とはまた違った美しさを見せてくれます。
ティーロミンロー寺院
パガン王朝後期の寺院ひとつです。
1218年、パガン王朝第8代国王ナンダウンミャーによって建立されました。
1975年の地震で大きく破損されてしまいますが、その後復元されています。
ナンダウンミャーの父親である代7代国王が5人の王子から後継者を選ぶ際、白い傘を真ん中にし、傘が倒れた方向にいた者を選んだという逸話からティーロミンロー(傘の王)が寺院名になりました。
営業時間は7:30〜18:00で、ニャウンウーの西側に位置しています。
タビィニュ寺院
オールド・バガンにあるこちらの寺院は、バガンで一番高く、約61mの高さを誇ります。
12世紀中頃パガン王朝第4代国王アラウンシードゥー時代に建立されました。
タビィニュ寺院は、パガンに建てられた最初の2階建て建築です。
美しい建築様式として知られているアーナンダ寺院と隣接しています。
また、寺院の向かいにあるタビィニュ僧院境内には第二次世界大戦でなくなった日本兵をはじめとして多くの戦没者の慰霊碑があります。
営業時間は7:00〜18:00です。
ダマヤンジー寺院
オールド・バガンにあり、バガンで最も大きな寺院がダヤマンジー寺院です。
1165年パガン王朝第5代ナラトゥ王が建立しました。
王座につくために父と兄を殺したナラトゥ王が罪滅ぼしのために建設を始めました。
しかし、ナラトゥ王自身も暗殺されてしまい、ダヤマンダー寺院は未完成のまま現代まで残っています。
ちなみに夜になるとナラトゥ王の幽霊が出ると噂されているようです。
こちらは24時間開いているようです。
シュエサンドー・パヤー(パコダ)
オールド・バガンにあるシェーサンドー・パヤー(パコダ)は、1057年の王朝初期に建てられた仏塔です。
「サンドー」とは聖髪を意味する言葉で、仏塔の中には仏陀の聖髪が奉納されているといわれています。
5層からなるテラスはバガンでも日の出、日の入りの鑑賞スポットとしても有名です。
日の入り時間には多くの観光客で賑わっています。
マヌーハ寺院
マヌーハ寺院はオールド・バガンとニュー・バガンの間にあるミンカバー村にあります。
「マヌーハ」とは、パガン王朝最初の王であるアノーヤターによって捕虜となったモン族の王の名前です。
そのマヌーハが1059年にアノーヤターから建築の許可を得て建てたのがこの寺院といわれています。
この寺院で有名なのは窮屈そうな涅槃像です。
マヌーハが捕虜生活の窮屈さを表現するために建てたといわれています。
ブーパヤー・パゴダ
オールド・バガンにある仏塔で伝承によると、紀元3世紀にパガンを支配したピューソーティー王が建立したようです。
オリジナルのものは1975年の地震で崩壊してしまったため、現存のものは再建されたものです。
「ブー」は瓜という意味の通り独特な外観をしています。
ブーパヤー・パコダは24時間営業しています。
タラバー門
オールド・バガンの北東にあるタラバー門は、かつてバガンを守る城壁で、9世紀ごろにピンビャー王が築いた城壁の名残として残存しています。
門の両側にはバガンの守護神である兄(マハーギリー)と妹(ナマドーヂー)の像が立っています。
Eバイクや車で通ることができるので、行く機会があるようでしたら立ち止まってみてください。
黄金王宮
黄金王宮は、パガン朝時代の王宮を再現したものです。
タラバー門からオールド・バガンに入るとすぐ右手にみえます。
2008年に完成した新しい施設のため歴史はありませんが、時間がある場合は立ち寄ってみてもいいかもしれません。
入場料で5,000チャット(約360円)かかります。
マニ・シトゥ・マーケット
ニャウンウーの市街地にあるマーケットで、バガンの台所です。
地元の方向けで野菜や果物などの食材が多く売られています。
他にもさまざまな織物や木彫りの工芸品なども売っていますので、お土産探しには最適の場所です。
バガンビューイングタワー
バガンで必見なサンライズやサンセットですが、特に仏塔から登ってみる景色は格別です。
しかし、近年では安全面や遺跡の保全の面で仏塔に登ることが禁止されています。
2005年にオープンしたバガンビューイングタワーでは、高い位置で360度バガンを見渡すことができます。
入場料はおよそ5ドル、営業時間は5:30〜22:00です。
バガンの人気ツアー・アクティビティ
ミャンマーでは2018年10月から日本人の観光ビザ取得が免除になったため、人気が増しています。
バガンも人気ですが、初めて行く方はツアーを予約するのが便利でおすすめです。
日本語ガイド付きツアーもあるので安心して観光できます。
気球遊覧飛行(バルーニング)
バガン観光の定番ツアーといえばバルーンツアーです。
サンライズに合わせて、バガンの遺跡群を悠然と飛んでいく気球は圧巻です。また、気球からみるサンライズや遺跡群も格別です。
バルーンツアーは乾季の10月~4月で開催しています。
雨が降ると中止になることもあるため、10月初旬の雨季が明けた頃の予約は気を付けたほうがよいです。
バガンでこのツアーを敢行しているのは、次の3社です。
老舗で人気があるバルーンズ・オーバー・バガン、イギリスの会社であるオリエンタル・バルーニング、最も新しい会社で格安なゴールデン・イーグル・バルーニングです。
価格は330ドル~450ドルです。
日本語アシスタント付きのプランもあるので、10月~4月にバガンに行く際はぜひ申し込んでみてください。
イラワジ川クルーズ
ミャンマーはリバークルーズとして有名な地で、特にバガンと古都マンダレーをつなぐイラワジ川(現在はエーヤワーディー川)クルーズが有名です。
ラグジュアリーなクルーズからカジュアルなクルーズまであるので、自身の予算や時間にあわせて観光に組み込むのがおすすめです。
クルーズからみるサンライズやサンセットは評判で、一見の価値があるでしょう。
バイクツアー
バガンでは、バイクツアーも人気です。バイクの方が移動に便利なので、たくさん遺跡を回りたい!という方におすすめです。
ガイド付きのツアーもありますので、ぜひ参加してみてください。
夕日鑑賞ツアー
バガンの幻想的な夕日を見るのに、夕日鑑賞ツアーもおすすめです。
バガンの観光地をまわった後に夕日鑑賞におすすめの場所へ連れて行ってくれます。また、ホテルまで送迎してくれるので帰りも便利です。
初めてバガンに行く方におすすめのツアーです。
まとめ
バガンの観光スポットをご紹介しました。
世界遺産に登録されたばかりですので、これからさらに人気になりそうです。
寺院の際には、境内も靴や靴下を履いたままでは参拝不可ですので、ピーチサンダルで回ってすぐに着脱できるようにしておくのがよいでしょう。
まだ日本からは観光客がそれほど多くないので、今のうちに旅行に行ってみてはいかがでしょうか。