変圧器、と言われても何のことだか分からないという方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし海外旅行で日本製の電化製品を持っていくなら確認が必要です。
また忘れてはいけないのが渡航先のコンセントの形状です。
コンセントの形状は国によって違いあり、日本の形状と違えば日本製の電化製品を使用できません。
日本の電化製品を海外で使用するときに活躍する変圧器、そしてコンセントの形状を変換してくれる変換プラグについて解説します。
基本的に変圧器は必要ない
変圧器とは、コンセントからの電流の電圧を電化製品に合わせた電圧に変換してくれるもののことです。
日本のコンセントは100Vの電流が流れるように作られており、日本の電化製品も100Vの電流を受けて作動するように作られていますから基本的に日本国内の家庭において変圧器を使用することはありません。
しかし海外のコンセントでは日本よりも電圧が高いことがほとんどです。
海外の電源の電圧のまま日本の電化製品に通してしまうとショートしてしまう可能性が高いです。
そこで変圧器が必要なのですが、最近では多くの場合で変圧器を使用せずに国内の電化製品を海外でも使うことができます。
ユニバーサル仕様と呼ばれる最初から変圧器が備わっている電化製品や、幅広い電圧に対応できる電化製品であれば変圧器は不要です。
電化製品によっては変圧器が必要な場合がありますので、電化製品の説明書や表示をよく確認しておくことが必要です。
製品本体の表示はメーカーにより差がありますが、「入力」や「IP」の後にACと続いており、その次の○○V、○○V~○○Vと表記されているのがその製品が使用できる電圧です。
特に製造年月の古い製品は変圧器が必要な可能性が高いですので要注意です。
手持ちの電化製品が海外で使用できるかチェック!
まずは人気の海外旅行先の電圧をご紹介します。
・台湾、韓国→110V/220V
・ハワイ、アメリカ→120V
・グアム、カナダ→120V/240V
・ドイツ、フランス→127V/230V
・イタリア→125V/220V
・イギリス、アイルランド→220V/230V
国によっては2通りの電圧で運用されている場合もあります。
変圧器の選び方
変圧器が必要かどうか確認して必要であることが分かった場合、どのような基準で変圧器を選べばよいのでしょうか。
まず変圧器はW数(ワット数)によって種類があります。
・~50W
・101W~150W
・151W~999W
・1000W~
W数とは消費電力をあらわした数値で、例えばドライヤーやヘアアイロンなどは電力を多く消費するものですから、W数を多めに見積もっておく必要があります。
また長時間使用する場合でもW数の高いものにしておくとトラブルなく使用することができます。
W数が高いほど変圧器は高価になりますが、W数の低いものやギリギリのものを購入してしまうと、現地で使用できない、もしくは変圧できず電化製品がショートしてしまったなどというトラブルに見舞われる可能性があります。
そういった事態にならないためにも余裕をもった変圧器を選び、迷ったら家電量販店の店員さんなどにお話をうかがうと良いですね。
海外での電化製品使用には変換プラグが必要
変圧器以外にも電化製品を使用するのに大切なことがあります。
それはコンセントの形状の確認です。
実はコンセントの形状には様々なものがあり、大きくわけて8種類あります。
渡航先のコンセントの形状が日本と違えば電化製品を使用することができませんから、変換プラグが必要になります。
日本の規格のAタイプから渡航先のコンセントの形状のタイプに変換するプラグを購入し、海外のコンセントと使いたい電化製品の間を変換プラグで繋ぎます。
ここでは変換プラグについて解説します。
Aタイプ
Aタイプは日本も該当するコンセントの形状です。
日本以外ですとスペイン、アメリカ、カナダ、タイ、台湾、中国などが該当します。
上記の国ならば日本の電化製品のコンセントをそのまま差すことができますから、変換プラグは必要ないです。
また電圧も合っていれば変圧器も不要で、そのまま電化製品を使用できます。
Bタイプ
Bタイプの国は、香港、マレーシア、インド、インドネシア、南アフリカなど、アジア中心に該当します。
近年アジアへの旅行が人気ですが、Aタイプが採用されていない国では電化製品のプラグをそのまま使えませんので変換プラグが必要であることを注意しておきましょう。
Cタイプ
Cタイプに該当する国は、イタリア、ドイツ、オーストリア、オランダ、デンマークなどです。
人気の高いヨーロッパ系の国々が該当するようで、よく旅行するのであれば特にCタイプへの変換プラグは必ず用意しておいたほうが良いでしょう。
SEタイプ
プラグの形状は複数該当する場合も多く、たとえばドイツの場合、SEタイプとCタイプが存在します。
Cタイプを採用しているヨーロッパの国の多くはSEタイプも採用しています。
ヨーロッパ内の移動であればCタイプとSEタイプを準備していれば概ね対応できますが、中にはBタイプやBFタイプを採用している国もありますので、事前の確認は必須です。
宿泊先に採用しているコンセントのタイプを事前に問い合わせておきましょう。
Oタイプ
Oタイプに該当する国は、オーストラリアやニュージーランドです。
オセアニアでは多くOタイプが採用されているようです。
しかし、OタイプとO2タイプの2つが混在する国がほとんどのようですので、事前に確認する必要があります。
もし渡航が迫っているなどで事前に確認が難しい場合はOタイプとO2タイプのいずれも変換プラグを持っておくと安心でしょう。
O2タイプ
オセアニア諸国に加えてO2タイプは中国でも採用されています。
特に中国は8種類全てのコンセントタイプが使用されており、宿泊先などのコンセントを使用したい場所がどのタイプを採用しているかを確認しておく必要があります。
訪ねる地域の傾向に合わせて複数のタイプに変換できるマルチタイプの変換プラグを準備しておくと安心でしょう。
BFタイプ
BFタイプに該当する国は、サウジアラビア、ナイジェリア、シンガポール、マレーシアです。
ウガンダやキプロスなどはBFタイプのみのようですが、基本的には他のタイプが混在している国が多いですので、事前の確認が必要です。
B3タイプ
B3タイプのプラグを用いる国は、ポーランド、ポルトガル、ギリシャ、チリ、インドネシアなどがあります。
これらの国はBタイプやB3タイプ、あるいはCタイプが混在している場合が多いため、渡航先の主流のタイプを調べると共に宿泊先などに事前に確認しておく必要があります。
その他の特殊なタイプ
上記8種類以外の特殊なタイプのプラグはないようですので、もし見かけるとしたらマイナーであったりローカルであったりする地域でしょう。
複数のコンセントのタイプがある国は要注意で、主流のタイプがあればそのタイプの対応する変換プラグを用意すれば概ね問題ないですが、もし使いたいと思ったときにコンセントの形状が違うものであれば使用できません。
渡航先のコンセント事情を入念に調べ、複数のコンセントがよく使われているようであれば複数の変換プラグ、あるいは対応するタイプがまとまったマルチな変換プラグを用意しましょう。
8種類すべてに対応できる変換プラグも販売されていますので、多数の国に旅行する予定があるのであればそちらも便利です。
まとめ
日本と同じ感覚で電化製品を持って行っても使えない可能性があります。
最近ではユニバーサル仕様の電化製品が増え、変圧器に関してはあまり気にしなくてもよいですが、渡航前に必ずチェックしておきましょう。