モンゴルは遊牧民のイメージが強いですが、首都ウランバートルは近代的な建物の目立つ都市です。
自然豊かな国、近代的な首都、遊牧民の生活を、観光しながら学んでみませんか?
モンゴルの基本情報
【首都】ウランバートル
【人口】約323万人(2018年現在)
【宗教】チベット仏教、イスラム教
【言語】公用語はモンゴル語、カザフ語
【通貨】モンゴルトゥグルグ(100Tg=約4.55円)
※参考:外務省基礎データ https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/mongolia/data.html
モンゴルは東アジアにある日本の国土約4倍の国です。
世界でもとびぬけた遊牧国家ですが、近年経済の急速な発展により遊牧民の割合は減少傾向にあり人口の2割にも満たないと言われています。
モンゴルの歴史
モンゴルは様々な部族が統合や分裂を繰り返してできた遊牧国家です。
現在のモンゴル国となるまで様々な歴史的背景がありました。
遊牧が盛んなチンギス・ハーン統治下の時代
匈奴・鮮卑などの部族が各地で争いを繰り広げていたかつてのモンゴルを、1206年、テムジンにより統一されました。
テムジンは後にチンギス・ハーンと名を変えモンゴル帝国を建国しました。
社会主義時代を経て民主主義国家に
チンギス・ハーンの孫、フビライ・ハンによる中国進出で領土は一気に拡大しますが、その後は清(中国)やソ連(ロシア)による侵略や弾圧が続きました。
そして1989年、モンゴル民主連合により民主化運動が起こり、1992年新憲法の制定により民主主義国家が完成しました。
モンゴルの特徴
モンゴルと言えば広大な草原を思い浮かべる人は多いかもしれませんが、国民性や文化、食事にはどんな特徴があるのでしょうか?
もしかしたら、イメージと事実にはギャップがあるかもしれませんね。
【国民性】不愛想に見えるが親日家
日本におけるモンゴル人といえば「相撲」が思い浮かぶかもしれませんね。
日本同様、モンゴルも相撲が盛んで、日本へ力士としてやってくるモンゴル人が多数いることはご存じでしょう。
アメリカ人のように感情をオーバーに表現することもなく、不愛想に見えるモンゴル人ですが根は親切で親日家が多いと知られています。
【自然】国の8割が草原の自然体国
多くの方のイメージの通り、モンゴルは国土の8割が草原や山の大自然に囲まれた国です。
モンゴルに行ったならば是非お勧めしたいのが、雄大な地平線です。
どこまでも果てしなく広がる地平線が目の前に広がる様子は、想像をはるかに越えた驚きと感動を与えてくれることでしょう。
また、そこには草原だけでなくモンゴル最大の滝があるオルホルン渓谷や、広大で美しいフブスグル湖や塩湖のオブス湖があります。
一方で首都ウランバートルは近代化が進んだ都市です。
ビルが立ち並び、ウランバートルだけを見れば草原のイメージは湧かないことでしょう。
しかし、チンギス・ハーン騎馬像とそれに伴う複合施設は有名な観光スポットとなっていて、街の全景が見られることもありとても人気となっています。
【生活】移動式住居ゲルで遊牧生活
遊牧民にとっての家である「ゲル(パオとも呼ぶ)」は、中心となる2本の柱と中心から放射線状に広がる梁で作られ、蛇腹式に折りたたむことが可能となっています。
屋根と壁は、遊牧民の象徴でもある羊の毛から作ったフェルトを被せてできています。
旅行ツアーになかには、遊牧生活を体験したい人に人気のゲルへの宿泊や乗馬体験パックもあるので、興味がある人にはおすすめです。
しかしそんな生活も近代的になり、ゲルは太陽光パネルや蓄電池、パラボラアンテナまで設置されるほど快適になりました。
そのため、大草原の真ん中に居たとしても、TVも観ることができスマホも使え、アプリで銀行口座の管理をする生活に変わってきているのです。
【食】肉やミルクをメインに使った料理
モンゴルは内陸にあり海から離れた地であることから、主食は家畜である羊・馬・山羊・牛・ラクダから得ることになります。
しかし、遊牧民にとって食肉専用の家畜は存在せず、乳製品が食のメインとなります。
モンゴル料理において、「出汁」は存在せず、調味料についても塩のみで、香辛料は一切使用しません。
調理方法も、「茹でる」「炙り焼き」が一般的となります。
こちらはモンゴルのおすすめ料理です。
②ツォイワン(焼うどん)
③ボーズ(ひき肉の包み焼き)
現地へ行ったら日本ではなかなか味わうことのできないモンゴルの伝統料理を食べてみてはいかがでしょうか。
【文化】モンゴル相撲・弓・競馬が盛ん
モンゴルはスポーツが盛んな国でもあり、特にモンゴル相撲は2500年もの歴史を持ち、国技として子供にも親しまれているスポーツです。
白鵬、日馬富士、朝青龍、鶴竜、旭鷲山など、日本の角界でもモンゴル相撲出身者は大人気ですよね。
モンゴル相撲・弓射・競馬の3競技は「ナーダム」と呼ばれ、毎年3競技が3会場に分かれ同時開催され、大勢の観客で賑わう国民のイベントとなっています。
モンゴルの治安は?
モンゴルは大草原の印象からのんびりしたイメージを持つかもしれませんが、決して治安の良い国ではありません。
モンゴルの平均月収はおよそ4万円ほどなので、外国人観光客は「自分たちよりもお金持ち」と思われています。
貧困から来る治安の悪さなので、首都ウランバートルでも夜は出歩かないように注意しなければいけませんし、貴重品の管理にも細心の注意を払いましょう。
また、ウランバートルはスリにも注意しなくてはいけません。
街を歩いている時だけでなく、デパートでの買い物中やホテル内でもスリに狙われる可能性があるのです。
モンゴルの旧正月などは酔っ払いもそこかしこに居ますので、スリと共に暴行事件に巻き込まれないように注意したいところです。
日本と同じようにショルダーバッグを肩から下げて歩いていれば格好の餌食になりかねないので、かばんは体の前面に抱えるようにして持ち歩くと安全です。
モンゴルへの旅行方法は?
モンゴルへは日本から直行便で簡単に行くことが可能です。
旅行のベスト時期・日数
モンゴルの過ごしやすい季節は、日本とあまり変わらず5月~8月になります。
7月には、先にお話しした「ナーダム」が開催されるので、観光客が多くなるのもこの時期です。
日数的には、2泊3日の旅行がポピュラーで、広大な草原や近代都市、遊牧民の生活などを満喫してくることができます。
モンゴルの有名な星空を見るためには日没時間が気になりますが、春は20時半ごろ、夏は22時頃、秋は19時頃、冬は18時頃になります。
ちなみに、モンゴルとの時差は1時間(日本が1時間進んでいる)ので、到着後旅行による時差ボケもなく快適に過ごすことができます。
空港・交通手段
ウランバートルのチンギスハーン国際空港までは、成田国際空港から直行便が出ています。
また、2020年上半期には新ウランバートル国際空港が開港予定となっていますので、ますます便利になりますね。
移動時間は、成田空港から約5時間となっています。
モンゴル行きの航空券は、過ごしやすい5月~8月が値段も比例して高くなり、格安航空券でも10万円台~11万円台になります。
モンゴル国内の交通手段は、治安を考えてもホテルまではタクシー移動がベストでしょう。
まとめ
モンゴルはまだまだ知らない魅力がたくさん溢れていましたね。
直行便で比較的短時間で行けるため、都会の喧騒に疲れ、大自然の中で過ごしたいとモンゴルへ旅行する人は増えています。
現地でしか味わえない遊牧民との触れ合いや文化などはとても貴重な体験でしょう。
しかし、豊かな自然だけでなく、治安面もしっかり知ってから行かなければ痛い目を見ることもあるということは忘れないようにしましょう。
日本に戻った時にはすっかりリフレッシュできていること間違いなしです。